KdVの方程式のソリトン解の導出とその挙動
前にKdV方程式の解を数値計算により求め、その挙動を視覚的に観察したことがあった。今回は、KdV方程式のソリトン解(1ソリトン解)を解析的に求めるとともに、ソリトン解を初期値にした場合の解の挙動を観察しようと思う。
KdV方程式とは
KdV方程式の係数の書かれ方としては色々あるが、ここではソリトン解の挙動を考察する際によく用いられる以下の形の式を考えることにする。
1ソリトン解の導出
KdV方程式は波(浅水波)の挙動を記述した方程式であったから、移流方程式の解析解を求めた時と同様に、なる変数変換を行い、KdV方程式の特殊解を求めることにする。すなわち、KdV方程式の特解として、
の形を仮定する。これをKdV方程式に代入すると、
を得るが、これは、
と書き直せるので、積分すると、
を得る(は積分定数)。両辺に
を掛けると、
となるので、もう一度積分すると、
を得る(は積分定数)。
さて、より簡単な場合の解を求めるために、ここではとする。すると、
となるが、としてよいので、
、すなわち、
であることから、
が成り立つ。そして、これを解くと、
を得る。ここで、は積分定数。また、
とした。
以上で、KdV方程式の1つの特殊解が得られた。
なお、この解は、1つの尖った波形(孤立波)であり、かつ、その波形を一切変えずに推移していく特徴を持つことから、ソリトン解(1ソリトン解)と呼ばれる。
1ソリトン解の挙動
上記で求めたソリトン解を初期値にした場合の、KdV方程式の解の挙動を観察しよう。
初期値は具体的に、、
として、
で与える。なお、初期値の最初に1を加えているが、これはあまり意味はなく、面グラフで波形をアニメーション表示するにあたって見栄えをよくするためで、単にグラフィカル上の手当である。
また、周期境界条件および
、
とし、KdV方程式の差分化は前回と同じ方法とした。(ただし、前提とした方程式の係数は前回と異なる)
結果は下記の通り。孤立波が形を変えずに推移していく様子が確認できる。
2ソリトン解の挙動
KdV方程式は非線形方程式のため、必ずしも解の重ね合わせは成り立たないが、上記の初期値とは異なる別のソリトン解を初期値に加えてみた場合を考えてみよう。果たしでどのような挙動を示すであろうか。
初期値は具体的に、、
としたものを追加し、
で与える。
その他の計算前提(周期境界条件等)はすべて上記と同じである。
結果は下記の通り。
波の速さはに寄るため、波高が大きい波の方が早い。そのため、
の波が
の波を途中で追い抜くことになるが、注意深く見ると、追い抜く際に、波高は単純な足し合わせにはならないこと(足した値よりは小さい)、位相がずれること(波高が大きい波はより前に進み、波高が小さい波が後ろに戻されるような形になる)が分かる。(動画では46秒当たり)
ただし、その後は何事もなかったかのように、お互い干渉せずにマイペースで進んでいくことが分かる。やはり非線形方程式は面白い。
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1ソリトン解のみならず、2ソリトン解をはじめ、Nソリトン解についても解析解が知られているが、今回の記事では立ち入らず。
なお、学生時代に勉強したことを記事にしました。間違い等ありましたらお手数ですがコメント等いただけますと幸甚です。